『ナタリーの朝』を観る
1969年の作品。中学3年生の1年間、毎週のように映画館通いをした。この映画もそのころ見たもののひとつである。『奇跡の人』を16歳のときに演じたパティ・デュークが7年後に再び登場した。
佳作・秀作の類だが、ヘンリー・マンシーニの音楽のほうがより濃く記憶に残っている。朝もやのマンハッタンをホンダのカブ号で疾走していく主人公ナタリーに、マンシーニの爽やかで美しい主題歌が流れるのが印象的だ。
マンシーニが音楽を手がける映画は、ある意味音楽に食われてしまうから、損な面もある。映画における音楽の位置はとても高いように思う。『鉄道員』『ブーベの恋人』など、イタリア映画もそうだ。
この1969年は学生運動激化の時期で、『いちご白書』もこのころだった。そんな映画と無縁の作品で、これまた感動の音楽に出会う映画があった。『幸せはパリで』という陳腐なタイトルNO1ともいえる作品(原題は『APRIL FOOL』)である。当時人気絶頂だったカトリーヌ・ドヌーブ(大ファンでした)と名優ジャック・レモンの2大スター競演で、凡庸なストーリーだが、バート・バカラック(だと思うが自信がない)が作曲した主題歌が良かった。
ディオンヌ・ワーウィックが歌って少しはヒットしたかと思うが、これもマンシーニ同様、コーラスによる挿入歌が大変良かった。劇中での音楽を聴きたいために、もう一度観たい映画だが、なかなかCS・BSで放映してくれない。
もうひとつこのころ観た映画で音楽が印象に残るのは、『暁の出撃』(1970年)。ジュリー・アンドリュースとロック・ハドソンの競演で、内容は平凡だが、マンシーニが作った主題歌『whispering』(?)をジュリー・アンドリュースが朗々と歌う。これが実に素晴らしいのだ。この映画もいわばB級(スタッフは一流だが)のため、TV放映の機会がない。
それにしても、この1年間、どれくらいの映画を観ただろうか。親もよく小遣いをくれたものだと、いまさらながらありがたく思う。


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