『ダウト』を観る
久しぶりに緊張感のある映画を観た。メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンが、オスカー俳優の貫禄たっぷりに、がっぷり四つに組んで迫真の演技を見せてくれる。
シスター役のエイミー・アダムスが可憐で美しい。黒人少年の母親役のヴィオラ・デイヴィスも出番は少ないが、作品の琴線に触れる台詞を任されて好演した。
メリルの修道服?は珍しいのではないか。黒装束に身を包み、帽子の奥から発せられるセリフのひとつひとつに魂がこもっている。もともとは舞台劇を映画化したものだが、舞台出身だけに、校長室での狭い空間で繰り広げる演技は、緻密で計算されたかのようだ。すでに大御所だから、いまさら上手いと褒めるのも失礼だが、『マディソン郡の橋』以来、あまりぱっとした映画がなかったように思っていただけに、これはメリルファン必見。
ホフマンもやはり舞台出の役者。『カポーティ』以前までは、名脇役のイメージが強かったが、今回は堂々の準主役。メリルとの丁々発止はスリル満点である。
まだ42歳と若い。これから、どんな演技を見せてくれるのか興味は尽きないが、『カポーティ』では製作・指揮もしたというから、イーストウッドやレッドフォードのような映画人になるのではないかという気がする。
この映画は、舞台劇が元になっている関係もあるだろうが、結末のセリフをどう解釈するのかがポイントだ。小生にしては珍しく、この映画(DVD)は立て続けに2度観た。2回観たいまも、ウーンと唸るような映画である。『チェンジリング』『グラントリノ』に続いて、今年のマイシネマベスト10に入る。
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