2009年3月28日 (土)

WBC2連覇

Wbc 23日、日本チームがWBC2連覇を果たした。5度にわたる日韓戦、アマ最強のキューバとの試合など、見応えあるゲームが多かった。いちばん驚いたのは、国内の盛り上がり。小生は高校から社会人、大学、プロと野球ならばなんでも見るほうだから、当然関心を持って観戦していた(実際に1試合丸ごとTV観戦できたのは僅かだった)が、国を挙げての応援にまで人気が広がるとは、予想していなかった。

Wbc_2 戦前の予想では、せいぜい4強止まりと思っていた。大砲不在で得点力が低いと感じたからだ。強いチーム同士の試合は、どうしても投手戦になりがち。連打は難しい。つなぐ野球に徹したのは、第1回の王ジャパンと同じだった。その戦法が国際試合で通用した。原監督の戦略勝ちといえる。

Wbc_3 岩隈が大車輪の働きをした。低めの制球力が抜群で、大事な試合で先発の責任回数を投げたのが優勝の勝因だ。3勝した松坂も良かったが、結果として勝ち星に恵まれなかったからMVPは逃したが、1勝でもしていれば、この人が獲得していたのではないか。

目を引いたのは内川。以前も書いたが、韓国に左のいい投手がいただけに彼の存在は効いた。中島とともに次代を担う。

結果論だが、優勝のかかった韓国戦。8回杉内、9回ダルと継投すべきだった。延長を考えてのことだったのか、岩隈を少し引っ張りすぎたように思えた。継投の難しさである。

岩隈、ダルとペナントレースで燃え尽き症候群にならないよう祈りたい。

2009年3月 8日 (日)

WBC韓国戦コールド勝ち

Uchikawa 7日のWBC東京ラウンド、対韓国戦。14-2で7回コールド勝ち。初回の内川の2点2ベースが効いた。イチローの3安打は当然だが、実力者でも変な緊張があるということだろう。内川は普段見ていないセリーグの打者だが、シュート打ちが上手いように感じる。

「失うものは何もない」と無心を強調しているが、昨年右打者の最高打率で首位打者を取ったバッター。それが本音ならば、謙虚さが立派である。

Murata 横浜の先輩、「男・村田」がまたいいところで一発放った。昨年の北京五輪ではその不振ぶりが敗戦のひとつにつながり、捲土重来を期していただけに、鬱憤を晴らす活躍だ。

内川はたしか大分工出のドラフト1位、村田は東福岡-日大出身でドラフトは2位だったか。いずれも九州球界の逸材。我がソフトバンクにほしかった人材だ。

Matsuzaka 松坂も良く投げた。2ランは打たれたが、4回は球数制限ギリギリで終えたあたりは、非凡である。城島とのコンビも上手くいっているのではないか。

9日にはもういちど韓国とあたるだろう。先発は岩隈か。先を見据えて韓国がどんな陣容で臨むのか。それは日本も一緒かもしれない。1位通過を優先するのか。第2ラウンド、決勝ラウンドから逆算して選手起用するのか。

昨日は左腕の先発ということで好調の4番・稲葉を使わなかった。稲葉は右左関係なく打つ好打者だが、この人がベンチにいて勝てたのも今後の勝ち上がりにおいて大きい。

第1回はお祭りだったが、2回目となるとみな真剣のようである。優勝候補の一角・ドミニカはオランダに負けたようだし、面白くなった。

ただし、TV中継が宜しくない。NHKあたりが衛星放送でやらないと、CMばかり見せつけられ、下らないタレントのおしゃべりを延々と聞くことになる。アナウンサーと1人の解説者でじゅうぶんだ。

2007年11月14日 (水)

鉄腕、死す

Inao 神様・稲尾氏が亡くなった。早すぎる70歳の死である。西鉄ライオンズの地元で生まれ育った私だが、鉄腕ぶりをこの目で見るには、数歳足りなかった。たしか、中西監督のもとで西鉄が最後のリーグ優勝を果たしたのが幼稚園のころだと思う。

野球少年になった小学生のころ、西鉄はとても弱かった。その後、西鉄が球団を手放し、太平洋クラブ、クラウンライターと母体が変わった。

金がないから、良い選手は取れない。巨人や広島をクビになったような、盛りの過ぎた選手が大半を占め、つい先日2軍に落ちたばかりの竹之内や山村などが4番に座るひどい戦力だった。

この低迷期に稲尾氏は30代で監督に就任、ずいぶん苦労をしたと思う。東尾や若菜、真弓などが入団し、これからというときに、九州を去ったのではなかったか。

Inao2 黒い霧事件で永久追放になった池永正明氏(写真左)の名誉回復に尽力した。西武がライオンズを買収し、九州から球団がなくなったあと、地元に球団を、と奔走したのも稲尾さんだ。

それでも地元球団だったから、平和台球場にはよく足を運んだ。閑古鳥が鳴くほどの人の入りだったが、いまのように鐘や太鼓の騒々しい声援はなく、せいぜい三々七拍子。

なんといっても、野次が面白かった。私も高校生になり、いっぱしの野次を飛ばした。傑作な野次が飛ぶと拍手喝さい、観客はどっと湧く。

試合が一方的になると、スタンドの後ろでラジオ解説している中西氏に向かって「代打、中西っ なかにっさん、頼んますバイ!」とくる。

投手が打ち込まれると、「ピッチャー、稲尾!!」とウグイス嬢のまねをして、また拍手を浴びる。もちろん、ほろ酔い気分で、受けると有頂天になるおじさんだった。

Oh 我がソフトバンクにも、愛情を注いだ。私は見聞することができないが、地元の放送局では健在な姿が、つい最近まで見られたらしい。

3歳上の野村監督がまだ現役である。3歳下の大病を患った王監督が14年目の監督業に入る。稲尾氏の死は余りにも痛い。

やはり、善人ほど早死にする。どうでもいいやつほど、くたばらない。野球界も同じのようで、悲しい。

合掌。

2007年8月24日 (金)

広陵高校監督の「誤審」発言

Kouryou 夏の甲子園決勝。広陵VS佐賀北の8回裏北高の攻撃の場面である。夜にCS放送をかけていたら、まさにその回から始まった。結果が分かっていたので、じっくり見ることができた。

いま、色々な報道やブログで賛否両論なのが、広陵高校監督の「誤審」発言だ。自称「野球評論家」の小生から見ると、押し出し四球を得た打者に投げた投球の少なくとも2球はストライクだった。

野球の放映はバックスクリーンの右手あたりに陣取っているカメラがメインになるので、内外角とも、テレビで見た場合は少しそれて見えるが、それでもあの判定は、判官びいきといわれても仕方のないジャッジだった。あれがなければ、満塁ホームランはもちろん生まれていない。

だいたい、捕手が何度も残念がるときは、ストライクである。しかもあの時、捕手はミットを動かしもせず、捕球後も構えたままにしていた。球道がストライクゾーンの中に収まっていたからだ。

また野村投手の、再三にわたるあの驚愕の表情は、自信を持ってストライクを投げたときの顔である。バッテリーがこれほど驚くのは、「意外だ」と思っているからこそだ。

さて、監督の発言だが、小生は監督擁護派である。スポーツを含むすべての物事で疑問に思うことがあるならば、発言を許されるのが民主主義(と言う言い方は好きではないが)というものであろう。

中井監督の発言は、高野連が注意したことで封殺されたが、審判の力量アップにつながれば、と思う。監督もそれを期待してのことだったと思いたい。

プロ野球にも最近、誤審は多い。審判への批判はタブーではない。批判とそれによって生じる結果を受け入れるのならば、どんな批判も自由であるべきだ。

2007年5月 3日 (木)

特待生制度について②

Tokutai2 特待生制度問題が、まだ続いている。西武の裏金疑惑に端を発したから、アマチュアサイドが動揺しているというのが真相だと思うようになった。

特待生制度のある高校を申告させ、その野球部の部長を辞任させるというやり方は、まさに口封じ、臭いものにフタの典型である。これ以上、アマ側に金銭問題が及ぶことを恐れたあまりの対応と言わざるを得ない。

前回も書いたが、成績優秀なものを金銭的あるいは入学の可否で特別扱いすることは、問題ない。スポーツと勉学を切り離して考えるのはおかしい。

スポーツでも、頭の悪いやつは良い選手に離れない。断言できる。彼らの素行が悪いとすれば、特待生制度のせいではない。また特待生制度で選手を入学させるのは学校側の希望であることが多い。

スポーツも教育の一環だというなら、特待生には、制度に対する理解を深めさせ、自覚させればいい。

大人の都合で、野球ができなくなる生徒が可哀想だ。

2007年4月26日 (木)

特待生制度について

Koutaren 日本高校野球連盟が特待制度を廃止するよう、全国の高校に通達するそうだ。西武の裏金問題に関して、高校側にもその土壌があるとの判断だ。

勉学やスポーツ、ボランティア活動など一芸に秀でた生徒を一般の入試枠とは別に入学させることは、いまや定着しているし、悪いことではない。奨学金を与えて、さらに技術や勉学の水準を上げさせて学校の評判を高めようとするのは、私学教育では重要なビジネス戦略である。

問題は、生徒の周辺にいるニセ教育者たちがそれを悪用することと、そうした特待生を他の生徒に比べて甘やかす、特別扱いすることにある。

経済的な理由で大学に行けない者を特待生制度で入学させて、大学進学率を上げる。または、豪腕投手を入れて甲子園を目指す。この程度のことが許されないなら、政官財の談合や癒着に関係した者は、市中引き回しのうえ獄門だ。

公立高校でも越境入学や推薦入試で、全国から優秀なスポーツ選手を集めることろは少なくない。金が駄目なら、そうした制度破りもなくさなければ同じことである。

米国ではアメフト、バスケットなどの有望株は、中学時代から高校スカウトの目に止まり、名門大学に進む。マイケル・ジョーダンなどもそうだ。米国が偉いのは、勉強できる者とスポーツができる者の才能を同一視していること、それに有名選手に対しては、たとえば早期からマスコミからのインタビューの受け答えなど、きちんと教える伝統があることだ。

強豪高校のクラブは、全国遠征などがしょっちゅうある。小生の息子も名門チームに入ったので、よく金がかかった。北海道のチームが来て練習試合をする。すると、半年後には北海道遠征がある。その遠征費の一部を負担しなければならない。親としては、たまったものではないが、仕方ない。

スポーツクラブの好成績は士気高揚にもなる。奨学金くらいで、アマチュアイズムを振りかざしてはいけない。

金がかかる実態を改善していき、なおかつ甲子園を目指す、高校野球を人気スポーツとして維持していくのは、まず無理だ。特待生制度をなくし、越境入学をやめ、推薦入試も廃止する。そこまで徹底したら、困るのは大人社会である。

いまは神経過敏になっているが、時が過ぎれば、また元通りになるだろう。拝金主義がこの国に蔓延している限り、裏金はなくならない。

2007年4月12日 (木)

裏金問題②

Uragane 横浜ベイスターズの那須野投手が協定の上限を遥かに上回る5億3000万円の入団契約金をもらっていたことが判明した。日大の鈴木博識監督(=写真左)は、そのうち3000万円もらったとされたが、本人は否定している。

那須野はきょう12日の対ヤクルト戦で1イニングを投げ、敗戦投手になっている。さぞ、きつい野次が飛んだことだろう。

裏金問題は、どの世界にもあること。政治ウラ献金、談合、裏口入学、やらせ記事などなど、金が絡まないものはない。施しのお金(寄付)を除いて、金は対価を要求する。金を払う、握らせるのは、目的があってこそである。寄付だって、勲章欲しさに大枚はたくウツケ者がいる。

契約金の高騰が、金欠球団の経営や存続を危うくするのは確かだろう。しかし高額のサラリーで入社させると思えば、いいではないか? それでは、虚人のような金満球団しかプロ野球チームを持てないとの意見が出てくる。貧乏球団は、そのことを理解してくれる選手を集めて強いチームを作るほか手はない。

人気商売、役者の興行と同じで、人に見せるスポーツは金のかかるものなのだ。いまの日本のアマチュア球界において、金を使わないで強いチームを作ることは不可能。そこでプロとの接触が生まれる。高校野球、大学・社会人野球のの名門チームの監督に金が渡らなかったのは、おそらく四国・池田高校の蔦監督ぐらいではないかと思う。

蔦さんのように、自宅の離れに寮を作って生徒を住まわせ、強いチームを作る。監督自らが金を負担する。見返りも要求せず、名誉や栄冠、学生に対する教育への情熱だけで良しと考える教育者が、強豪チームの指導者に何人いるだろうか?

そもそも、アマチュアスポーツだけが純粋無垢であり続けることが難しい。一歩裏を見れば、どこも拝金主義ワールドである。

この先、どんな契約金規定、プロアマ交流制限を作っても、今回の件が起こらない保証は100%ない。

それにしても、日大監督の名前が「博識」というのは、強烈な皮肉だ・・・。

2006年10月12日 (木)

泣くな! 斉藤和己

Topimg 10月12日。パ・リーグPO第2ステージの第2戦。ソフトバンクホークスは、日本ハムに1-0で9回サヨナラ負けした。日ハムの新人・八木と投げ合ったSBのエースはハムのランナー・森本がホームに駆け込んだ瞬間、マウンドに崩れ落ちた。キャッチャー・的場もホームベース上に足を投げ出して座り込んでいる。肩が激しく震えていた。

グランドではハムナインが歓喜の輪を作り始め、体をぶつけ合うようにして喜んでいた。たまらず、SBのズレータとカブレラが、くず折れる斉藤の肩を抱きかかえ、ベンチに戻る=写真。

残酷で美しい場面だった。PO第1ステージで西武の松坂と投げ合って1-0。悲劇がまた繰り返された。中4日での先発という緊急登板にも拘らず、持ち前の精神力(と勿論、実力)でここまで耐えに耐えてきたが、刀尽き矢折れた。

Ochiai 10月11日の巨人-中日戦。優勝を決めた中日監督・落合は、延長10回のウッズの満塁ホームランで感極まり、優勝インタビューまで泣きはらしていた。

私は、3年前に落合が監督になると決まったとき、「最下位か優勝」と予想した。落合は就任時、「現有勢力でじゅうぶん戦える」と話した。選手を信じ掌握できる、鍛え上げられるとの自信があったのだろう。

これが慢心・過信となるか、選手を鼓舞するかやる気をなくさせるか、どっちかだと思ったから、そう予想したのである。野球は結局のところ、身勝手では、どんないい結果ももたらさない。

落合が孤高の人などというのは、だから、そもそも間違いである。素っ気ないが、人の気持ちが分かる好い親父なのである。あの涙を見て、また落合が好きになった。

斉藤和己といい、落合といい、また松中といい、今年はプロ野球で美しい涙を見せてもらった。